社労士さんって、ただ障害年金の書類をチェックして提出してくれるだけなんでしょ?

つい最近、ご相談の中でこんなことを言われました。

「障害年金の社労士さんって、要は診断書とかの書類が間違っていないかチェックをして、それを年金事務所に出してくれるだけなんですよね?他に何かするんですか?」

って。

たぶんその方は悪意はなく、実際に何をしているのかが気になったのだと思います。

でも私はこれを聞いて、「それはただの代行と言うのですよ。」と即答しました。

例えば企業の社会保険手続きなどを社労士がやっている場合、健康保険の取得喪失の手続きのようなものは代行です。

ご相談者のおっしゃる通り、書類を代わりに書くか、企業の人事担当者が書いた書類をチェックして代わりに提出する。

しかし、障害年金の請求は代行ではなく「代理」になります。

代行と代理には大きな違いがあり、代行は依頼した方の言うとおりにするだけの「お使い、使者」になりますが、代理は依頼された者(ここでは社労士)が考えてやったことは依頼した方がしたこととみなされるのです。

ですので、障害年金の請求代理の業務の幅はとても広いです。

お客様に見えることは、ただ書類を準備して提出するというところだけかもしれませんが、そこ至るまでに社労士がやることは多く、診断書を医師に依頼すること一つ取っても、「このドクターにはどうやって依頼したら一番効果的なのか」ということを緻密に考えて、作戦を立てながら進めていきます。

そして最終的に書類を仕上げる時や、医学的な知識を持って申立書を書いたほうが良さそうな時等は、臨床用の医学書を医大の図書館で探したり、医学書専門の書店に行って数万円もの医学書を購入して書類を作成することもあります。

過去の裁決例や判例から、類似のものを探すということもします。

障害年金の請求代理を社労士に依頼することに懐疑的な方は、「ただのお使いみたいな仕事なのに報酬を取るなんて」と思われるのかもしれません。

しかし、結果を出すには社労士は相応の努力をしているのは事実です。

そうじゃなければ社労士と一般の方がやる結果に明らかな違いが出ることはありませんし、依頼してくださったことに感謝をされることはないのではないかとも思います。

今回このご質問を受けて、私自身なるほどな~と思った部分もありました。

社労士に依頼するか、自分でやるかで悩んでいる方は、こういうことでもやもやしているのかもしれませんね。

ご相談の段階で、このような「ぶっちゃけ質問」を社労士にしてみるのもいいと思います。

今月から障害認定基準の一部改正で差引認定が変わります

以前から理不尽な基準である差引認定について、平成29年9月から一部改正がありました。

簡単に言うと、原則として現在の障害の状態に相当する等級と差引認定後の等級を同じにするということです。

差引認定という言葉は一般の方はあまり耳にしないかもしれませんが、差引認定されてしまった方は「どうして?」と納得ができないような基準でした。

現に、私の扱った案件でも差引認定されてしまったことがあります。

身体のある部位に障害があって、さらに同一の部位に障害を負った場合、現在の障害の程度からもともとの障害の程度を差し引いて現在の障害の程度を算出するという仕組みです。

初めて2級の場合には差引認定されませんので、「もともとの障害が3級程度」+「後の障害が3級程度」で併合して2級になるような場合には、差引認定は行われずに2級と認定されます。

しかし、もともとの障害が2級程度 +「後の障害が1級程度」だった場合は差引認定されて2級として認定されていました。

例えば脳性麻痺により両下肢に障害があり、その後交通事故によりさらに両下肢に重い障害を負ったようなケースです。

どうして差引認定というものがあるのか、不思議だと思いませんか?

それは、もともとの障害の初診日に保険料納付要件を満たしていないような場合に、その障害と後の障害をそのまま足すということはできないという理由からでした。

ただ、もともとの障害の初診日にも保険料納付要件を満たし、後の障害の初診日にも保険料納付要件を満たしているにも関わらず全て差引認定されてしまうのはおかしいのです。

そのように理不尽な決定が相次ぎ、今回の改正に至ったわけです。

今までに差引認定されて不支給になったり、低い等級で認定されてしまった方は、今月以降に再請求をすれば結果が変わる可能性があります。

このように少しずつでもよりよい認定基準に変わっていくといいですね。

困難な案件を提出する時、社労士と一般の方の違い

私の事務所では、すんなり通りそうな案件はあまり受任することがなく、必ずと言っていいほど困難で可能性が低い案件ばかりを受任しています。

だから、1案件の難しさ、時間、労力はたぶん通常の案件の3倍くらいはかかっています。

受任する案件の中には、ご相談をいただいた時には障害年金の受給可能性が1%もないのではないかと思うものもあります。

障害年金の請求は権利ですので、可能性が1%、いや0.1%でもあればトライしてみるべきだと思うのです。

では、困難な案件でも社労士が受任すると、どうして受給できるようになるのでしょうか。

それは、書類を揃えて提出する段階での完成度が明らかに違うからです。

可能性が1%という同じスタートラインでも、社労士が受任するからにはその可能性を提出するまでにぐんぐん上げていきます。

社労士にもよるかもしれませんが、私の場合は可能性1%の案件でも、提出時には可能性は90%程度には仕上げているのです。

そうすると、提出できた=ほぼ受給できそう ということになります。

1%から90%に持っていくということは、相当な知識や努力やノウハウが必要になりますし、簡単にはできません。

社労士が受任して障害年金請求をするということは、見るからに受給できそうにないような書類を出すことは専門家としてできませんし、それなりのクオリティの書類を出す必要があります。

しかし、一般の方が可能性1%の案件を90%に持っていくことは不可能に近い気がします。

何とか努力しても、30~50%に持っていければいいほうだと思います。

提出時に受給可能性50%だったら、一か八か、賭けみたいなものですね。

それで不支給(もしくは却下)になる確率が多いのだと思います。

ですので、障害年金の請求を社労士が受任して、無事に書類を提出できたということは、ある程度安心していただいていいです。

「絶対に受給できます」とは言えませんが、特に私の事務所では、

「これ以上は何もやり得ることが全くない、考えられることは全てやり尽くした」状態、言い換えれば「完全燃焼」の状態で提出をしているので、それで受給ができなければ審査請求するかどうか等の作戦を立てれば良いのです。

だって、障害年金の請求では絶対に後悔したくないですから。

こういうところ、良くも悪くも私の性分なんです。。

障害年金の請求がうまくいきそうな予感がする時

ここのところ、私の事務所では今まで準備していた案件をごっそり提出するとともに、新しいお客様をお迎えして新規の案件をいくつも進めています。

予定しているわけではないのですが、なぜか提出のタイミングが合ってしまうことが多いです。

新規で進めている案件はご契約してからまだ1週間も経っていないものばかりなのに、日を追うごとに順調に進み、早くも診断書を依頼できる段階のものもいくつかあります。

障害年金は依頼を受けて進めてみないとわからないことが多いのですが、今の案件はどれもがとんとん拍子で怖いくらいです。。

これって、偶然でもなかったりするのです。

障害年金の請求がうまくいきそうな時って、スタートダッシュである程度それを予想できるんです。

まずは、何と言っても「お客様ご本人がとにかく協力的なとき」です。

これには、ご本人の障害状態やお仕事などの時間的な状況も関わってきますので、できないお客様もいらっしゃいます。

でも、たまたま体調が良いとか、たまたま無職の期間だったとか、そういう事情が重なるとお客様ご本人が多くのことにご協力してくださったりするのです。

そうすると、早くも受診状況等証明書が入手できたり、申立書の内容を詳しく聴取できたり、どんどん進めることができます。

2つ目に、「初診日の病院がとにかく協力的なとき」です。

障害年金の請求がなかなか進まない時って、初診日の病院に原因がある場合がとても多いです。

初診日の病院が見つからないとか、カルテはあるのに1か月以上も受診状況等証明書を書いてくれないとか。

私の場合は、受診状況等証明書さえ入手できれば、もうゴールが見えたと思っていて、診断書を依頼中に申立書をある程度完成し、診断書が出来上がった時点で微調整をして提出しています。

なので、最近受任した新規の方々の案件は、このままいけばおそらく1か月ちょっとで提出できそうです。

この感じ、お客様ー私ードクター でキャッチボールをしている感覚なのです。

障害年金の請求は何だかネガティブなイメージになりがちですが、私の事務所ではなるべく前向きに明るいイメージを持ちながら進めるように心掛けています。

カメリアに依頼したお客様だけが経験できる特権です!

毎日数件、高次脳機能障害のご相談があります

以前から私の事務所には脳血管疾患のご相談が多かったのですが、先月からは特に高次脳機能障害のご相談がとても多く、毎日2~3件は高次脳機能障害についてのご相談です。

高次脳機能障害は精神の障害の「症状性を含む器質性精神障害」になりますので、うつ病や双極性障害や統合失調症等と同じ精神の障害用診断書を使います。

また、高次脳機能障害は脳血管疾患の後遺症の他に、交通事故の外傷が原因のこともあります。

いつも高次脳機能障害を扱っていて難しいなと感じるのは、診療科とか主治医の理解についてです。

同じ精神の障害として障害年金の請求をするにしても、うつ病や双極性障害等と比べて難しさや気をつけなければならないポイントは明らかに違います。

一つ例を挙げてみると、うつ病や双極性障害の治療を受けている方はほぼ精神科か心療内科を受診していますが、高次脳機能障害については、脳神経外科、脳神経内科、内科、神経内科、リハビリテーション科、精神科等々、診療科が多岐に渡っていることが多いのです。

そして、うつ病や双極性障害の方々と違って服薬治療をすることは稀なので(抑うつ症状がある方は別ですが)、定期的にしっかりと医療機関を受診していない方も多いです。

そうすると、障害年金の請求においてどうなりますでしょうか。

そう、障害認定日はおろか、請求日の診断書もきちんと書いてもらえないということが起こるのです。

高次脳機能障害で障害年金が受給できるということは認知されてきており、年金事務所や病院の方が簡単に障害年金をすすめることもあります。

しかし、実際にご自身で高次脳機能障害で障害年金の請求をして不支給になることも、実は少なくありません。

高次脳機能障害特有の症状というものがあり、見た目ではわからないので、ご家族ですら「そこまで症状が重くないのではないか」と思われがちで、そうすると主治医にも全然理解されない場合もあります。

私自身、高次脳機能障害の詳細な症状を理解したくて、随分前には高次脳機能障害の方の検査に全て立ち会ったことがあります。

その方の病院に同行したのは、20日間以上だったと思います。

それをして初めて、その方が「できること」「できないこと」「苦手なこと」「日常生活に支障があること」「ご自分が困っていること」「周囲が困っていること」を鮮明に理解することができました。

その経験は今も高次脳機能障害の方の請求に生かしていますし、年に数回は高次脳機能障害の研究会にも参加し、最新情報等を取り入れています。

高次脳機能障害での障害年金請求をお考えの方は、しっかりと対策を講じて準備することをおすすめいたします。

年金事務所で「あなたは障害年金が請求できますよ」という真意

ご相談の第一声で、「年金事務所では障害年金がもらえると言われたんですけど、、」とおっしゃる方がとにかく多いです。

症状を詳しくお聞きして、私がかなり難しいですよとお伝えするような時でも、「いや、年金事務所ではもらえると言われたから」と、とにかく年金事務所の方のお言葉を信じたい様子。

だったらご自分で障害年金の請求をしてみたら?と言いたくもなります。
(言いませんが。。)

ところで、年金事務所ではどういう時に「障害年金がもらえる」と答えるのでしょうか?

それは、障害年金がもらえる傷病(ほとんどの傷病が該当)で、初診日の要件を満たしている時には、障害年金がもらえるとお答えしているようです。

・初診日が証明できて
・初診日に年金制度の被保険者で
・保険料納付要件を満たしている

これで、ほとんどは「障害年金の請求はできますよ」と言われます。

仮に、障害の程度が軽くて障害年金がもらえそうではなくても、そこに言及はしません。

さらには、「こうこうこうやらないと、もらえないけど。。」という条件付きの部分にも触れません。

以前、年金事務所の方から聞いたのですが、障害の程度が軽過ぎて不支給になりそうな方であっても、年金事務所の方が審査をして認定するわけではないので、職権を超えるようなアドバイスをすることはできないそうです。

そんな裏事情、ご存じない方のほうが多いと思います。

普通、年金事務所の方が「もらえますよ」と言って診断書やら受診状況等証明書を渡してくださったら、障害年金がもらえることを信じて、頑張ってみますよね。

行政としての立場では、本音を言えない事情があるのです。

だからこそ、私たち社労士が「実際のところ、どうなの?」ということに答えられるのであって、存在意義もあるのかなとも思います。

行政の方と同じレベルかそれ以上の法的知識や専門知識を持ってして、ある時は一般の方に寄り添って戦う。

よく、障害年金においては、

・年金事務所は間違ったことを言う
・社労士は実務に即した本当のことを言う

と言われていたりもしますが、必ずしもそうとは限りません。

年金事務所と社会保険労務士は、そもそも立場が違うから、時に言うことが違って当然なんじゃないかと思います。

だから、うまく社労士を使うということはとてもメリットがあるのです。

「社労士を制する者は、障害年金を制す」です。