発達障害の初診日をどこにすべきか迷う時

私の事務所では、難易度の高い発達障害の障害年金についてのご相談がなぜかコンスタントにあります。

私の発達障害の決定事例をじっくりと読んで、「フルタイムで働いているのに、カメリアでは2級が認定されている」ということで驚かれて問い合わせされる方もいますし、

どこかの発達障害サイトで、私の事務所の圧倒的な受給率から推薦してくださっているのですが、それを見て問い合わせされる方もいます。

あとは、たぶんたまたま検索していたら出てきただけかもしれませんが。。

発達障害で障害年金受給を考えている方の悩みといえば、大きく2つに分かれていて、

①今フルタイムで働いているけれど、働きながら障害年金はもらえるかどうか

②過去に診断も治療も受けていない病院があるけれど、発達障害でいう初診日はそこまで遡るのか、今診断を受けている病院を初診日にするのか

というものが多いです。

障害年金の初診日というのはどの病気にも共通していますが、その病気により初めて医師の診療を受けた日のことを言います。

診療とは、「医師が診察や治療を行うこと」です。

ですので、発達障害であれば発達障害という診断を受けた病院ではなく、発達障害の症状を訴えて診察を受けた病院があるのであれば、それが誤診であっても初診日と考えるのが通常です。

特に数十年前はまだ発達障害を正しく診断してくれる病院が少なかったため、とりあえず知的障害やうつ病や人格障害等と診断されてしまった人もいらっしゃいます。

また、発達障害の方の中には抑うつ症状が先(もしくは同時)に出て、最初の病院ではずっとうつ病という診断をされ、うつ病の治療を長年受けているというケースも意外とあります。

このような場合、うつ病と診断されて受診した病院の初診日を発達障害の初診日として請求します。

では、例えば幼少期に発達障害の症状で精神科等を受診し、治療の必要がないからと言われて継続受診せず、その後20年近く後に精神科を受診してやっと発達障害の診断を受け、服薬治療を継続しているという場合はどうでしょうか。

幼少期に発達障害の症状で精神科を受診したことが確実なのであれば、やはり発達障害の初診日は幼少期になります。

これがうつ病のみだったとすると、社会的治癒という法理を使い、幼少期のうつ病と20年後のうつ病は別だという主張をすることはよくあります。

しかし、発達障害は先天性の障害とされているため、社会的治癒に馴染まないのです。

ただ、長期間に渡り、社会生活も日常生活も全く問題なく、安定して仕事をすることができ、服薬も必要がない状態が続いていたのであれば、発達障害であっても社会的治癒を主張できるケースがあったりするのかなとも思います。

が、、、

やはり発達障害という病気の特性からして、社会生活も日常生活も全く問題なかったというのは考えにくく、全く問題なかったとすると、たまたま環境に恵まれていたということが大きいと捉えられてしまう気がします。

発達障害と一括りに考えられず、本当に人それぞれ経緯も症状も異なりますから、じっくりと精査し、どこを初診日にするべきか、初診日をずらすことはできるのか検討する必要があります。

せっかく障害の程度が重くとも、初診日が認められなければ「却下」という決定になってしまいますから。

 

 

60代の方は障害年金ではなく障害者特例を考えると得

現在60代であって、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受給している方が障害の状態になった場合、障害年金をもらうよりも得になる制度があります。

障害者特例というものですが、障害年金3級の障害の程度以上であると認定されれば、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分に定額部分を加算してもらえるのです。

定額部分とは、老齢基礎年金にあたる部分の金額です。

障害厚生年金の2級以上であれば、もちろんそのまま障害厚生年金2級を受給し、特別支給の老齢厚生年金は支給停止という選択をしたほうが断然年金額が多くなります。

しかし、障害厚生年金3級の方で最低保証額の584,500円(平成30年度)のような方であれば、それよりも障害者特例の金額が多くなることが多いのです。

カメリアで最近決定した案件で、ちょうどこのようなものがあります。

脳出血での肢体の障害(半身麻痺)の方ですが、杖もなく歩行ができていて障害年金3級程度の方でした。

しかし既に退職し、特別支給の老齢厚生年金を受給中の方でしたので、最初から障害者特例をもらう前提で障害年金の手続きをしました。

また、依頼を受けた時点でちょうど64歳になった時期でしたので、急いで障害年金の書類を揃えて提出しなければ年金を1か月ずつもらい損ねてしまいます。

病院側からは診断書の記載を固く断られどうなることかと思いましたが、依頼を受けてから1か月で障害年金の書類を提出することができ、書類も完璧に仕上げましたので審査期間も1か月半しかかかりませんでした。

結果は障害厚生年金3級で年金額は約110万円でしたが、障害者特例により特別支給の老齢厚生年金の年金額は約170万円以上(月14万)となり、かなりの増額となりました。

これが使える方は限定的ではありますが、障害の程度が軽いし障害厚生年金3級をもらっても意味がないと諦めるのではなく、障害者特例というものがあると知っておいていただくと実は得をする方がいらっしゃると思います。

また、障害者特例の要件は障害年金3級の障害認定基準に該当することですので、仮に障害年金の保険料納付要件が満たせずに障害年金の請求を諦めた方であっても大丈夫です。

もし該当するかも、、と思われた方は障害年金の専門家である社労士にご相談をおすすめいたします。